SS26ランジェリートレンド

この予測不能で変化の激しい時代において、人々は手に触れられる具体的で実感のあるものへの回帰を求めています。こうした欲求の中から「土地」や「地球の再自然化」という概念が生まれ、ファッション界にも深く影響を与え、多様かつ分野横断的なデザイン視点をもたらしています。自然はもはやインスピレーションの源であるだけでなく、心と環境の深いつながりの象徴となり、未知への探求、内面の省察、そしてサステナビリティへの関心を反映しています。

SS26シーズンのトレンドは、以下の三つのテーマを軸に展開されます。「カントリー – 農園の地」、「禅意 – 精神の地」、「アンダーグラウンド – 都市の地」。これは素朴な暮らしへの憧れ、精神的な安らぎの追求、そして都市文化の新しい解釈を表現しています。土地の開拓とは、外的境界の拡張だけでなく、内なる精神の旅でもあり、この急速に変化する時代の中で、自身の立ち位置を再確認し、自然とのより深い共生関係を築くためのインスピレーションとなります。

   01 カントリー ― 農園の地    

素朴さへの回帰が求められるデザイン潮流の中で、「カントリー ― 農園の地」は新たなトレンドとして注目されています。農村のライフスタイルからインスピレーションを得たこのテーマは、温かみと文化的な趣のある美学を表現し、ハンドクラフトやセミハンドクラフトの工芸を強調します。制作の痕跡そのものが美しさの一部となり、スローライフやリアルな触感を求める現代人のニーズに応えています。

主な素材：

レース、かぎ針編み、立体ジャカード、マドラス刺繍、ループヤーン、ニットメッシュ、フロッキー加工とバーンアウト、アップリケ、ざっくりとしたウールツイード、3Dカットジャカードやカットアウト、淡色コットンクレープ、コットン＆リネンキャンバス、ブロケード、ポプリン、両面生地×立体プリント技術、民族調ジャカードテープ、パッチワーク織りやフリンジトリム、リサイクル紙と生地など。

注目の展開：

1. ECI#88392-12：ランジェリーストラップに波状の織り模様を採用し、手工芸のような繊細で立体的な質感を表現。視覚的なレイヤー感を演出するとともに、上品で素朴な美意識を織り込んでいます。
2. ECI#88460-20：規則的な直線構造の織りを採用し、ターコイズカラーによって機能美と自然との共生を感じさせるデザイン。装飾テープとしての活用に最適です。

    02 禅意 ― 精神の地     

急速な変化と高ストレスなライフスタイルの中で、静けさと内省を核とするこのテーマは、ミニマルなデザインと自然美を通じて、心身と環境の調和を追求します。柔らかな素材を用いて瞑想的な空気感を演出し、機能性と快適な包み込み感を両立させ、身体と精神のバランスを整えます。精神的ヒーリングと自己認識への欲求に応えるこの傾向は、ファッションを内外の満足を実現する手段と位置付けています。

主な素材：

クラシックメンズウェア生地、コットン＆クールウール、上質なPK生地、機能性素材、軽量コーティング／ワックスナイロン、ストレッチメッシュ、均一なマイクロプリーツ生地、チュール、オーガンジー、シフォン、山東ポプリン、レザー調素材、ギャバジン＆軽量裏地、マット感ある軽コーティングコットン、緻密なナイロン、シルクやコットンクレープ、サテン、クールウール＆ピンストライプ、シワ加工コットン、清涼感のあるモヘア＆リネン、光沢感あるビスコース高密度織、コットン/ビスコース混、モロッカンクレープ、透明感のあるバブルシフォン、同系色プリント、シルクシフォン、オーガンジー＆コットンの透け感ベースなど。

注目の展開：

1. ECI#32112-13P-P539：不規則な染めやミックスカラーのパターンが特徴で、曖昧で自然なグラデーションがリラックス感のあるデザイン言語を生み出しています。
2. ECI#33145-17：透明感のあるチュール素材を使ったフリルトリムデザインで、現代的なロマンティシズムを表現。エラスティックバンドにフェミニンかつ詩的な雰囲気をもたらします。

    03 アンダーグラウンド ― 都市の地     

多様な都市文化の中で、サブカルチャー、インダストリアル要素、ストリートトレンドを融合させた実験的スタイルが登場。高機能性と解体的なデザインを強調し、テクニカルファブリックで鮮明な都市美学を演出。さらにサステナブルな素材を取り入れることで、新世代の環境とスタイルへの両面関心に応えます。

主な素材：

リサイクルポリエステル、ナイロン、ネオプレン、高強度のケブラー®やコーデュラ®、メッシュライクラ、フェイクレザー、発光素材、ヴィンテージ風デニム、生地の光沢×マット質感のコントラスト、メタルパーツ、レーザー加工＆反射効果、プラスチック樹脂パーツ、ミラースパンコール、スタッズ、ダメージ加工、フリンジ、パッチワークラベル、グラフィティ、ギャザー加工のチュール、タイポグラフィ＆動的抽象柄など。

注目の展開：

1. ECI#30795-35P-S1054：シルクスクリーンプリントで放射状のスター柄を表現し、角度によってパープルブルーの光沢を放つ仕上がり。スポーツランジェリーのアンダーバンドやウエストバンドに適しています。
2. ECI#91230-25RB：非対称に配置された幾何学模様と微光素材の組み合わせが、静と動のバランスを感じさせる実験的ビジュアルを生み出します。バンドには再生可能資源由来のバイオナイロン糸を使用し、従来のナイロンに比べてカーボンフットプリントが大幅に低減されており、性能とサステナビリティの両立を実現しています。

参考資料: [2026年春夏ミラノ・ウニカ生地展 – デジタルファッション速報誌『Fashion Express』 ]